高く、速く、熱く!第36回全日本スキー選手権大会フリースタイル競技「モーグル」を取材

みなさん、モーグルという競技をご存知ですか?

急角度で大きなコブがついた斜面を猛スピードで滑り降り、ジャンプやスピード、ターンの総合点を競うフリースタイルスキーの競技です。フリースタイルスキーは滑っている最中にエア(ジャンプ)などの技を競うスキー競技の一種で、「魅せる」ことを目的の一つにしたものです。つまりモーグルは「競う」と同時に「魅せる」競技といえます。

2002年の長野オリンピックで里谷多英選手が日本人女性初の金メダルを獲得し、上村愛子選手がワールドカップで優勝するなど、近年注目を浴びています。

全日本スキー選手権大会が行われたのは福島県猪苗代町にあるスキー場、リステルスキーファンタジアです。このスキー場のモーグル専用コース「ダフィーコース」はFIS(国際スキー連盟)の公認モーグルコースとなっており、「世界屈指の難コース」と呼ばれています。

去る2月13日、全日本スキー選手権大会の初日。モーグルの取材に行ってきました。

「モーグルの聖地」リステルスキーファンタジア

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福島県猪苗代町にあるリステルスキーファンタジアでは、1988年以来15度にわたってモーグルのワールドカップが開催されています。全日本ナショナルチームの合宿も開催されており、モーグル・エアリアルの聖地と呼ばれています。

大会が行われたダフィーコースは、驚くほどの急斜面。普通の靴では上るのも降りるのも重労働です。大きなコブと2つのエア(ジャンプ)台が設置され、大会スタッフのみなさんが一生懸命コースを整備していたのが印象的でした。

競うのはあくまで「総合点」

モーグルといえば、派手なエア(ジャンプ)に注目しがちです。しかし、配点は以下のようになります。

・エア(ジャンプ)の配点は全体の4分の1
・総合点の30点のうち、滑り方に関するターン点が15点、つまり半分
・残りの4分の1がスピード点

選手はこの合計点で競います。モーグルの語源はノルウェー語で「雪のコブ」。コブのある急な斜面を滑る、というものが起源だそうです。スキー競技である以上、「いかに美しく、速く斜面を滑り降りるか」という点が最重要なのでしょう。

大会当日の様子

参加人数は女子が28名、男子が52名。総合点の高い順から男女各16名がファイナル、その中から各8名がスーパーファイナルに進みます。
今年は暖冬で、コースの状態は決して良くありませんでした。スタッフのみなさんが何度もコースを整備し、やっと滑れる状態。難コースということもあり、転倒してスキー板が外れ、失格になる選手もいました。そんな中それぞれの選手が懸命に滑り、技やスピードを競っていました。
パウンドケーキや饅頭などのスイーツやコーヒー、そば茶を振る舞うブースもあり、寒さの中選手や観客が一息ついていました。

勝負は20秒の世界


初めてモーグルを観戦して驚いたのが、そのスピードです。200メートルという決して短くはないコースを滑るのに、かかる時間は最速で20秒程度。とにかく速い。

さっきまで斜面のはるか上にいた小さい人影があっという間にぐんぐん大きくなって、気づけば目の前でエアを飛びゴールしています。スピード感とそのパフォーマンスに圧倒されるばかりでした。

たった20秒、1回の滑走ですべての勝負が決まってしまうという厳しさ。シビアですが、そこもモーグルの魅力なのかもしれません。
なお、大会の結果はこのようになりました。

<女子スーパーファイナルリザルト>
第1位 伊藤 みき (北野建設SC)
第2位 梶原 千裕 (TEAM BANKEI)
第3位 伊藤 さつき (立命館大学)

<男子スーパーファイナルリザルト>
第1位 吉川 空 (Gas One スキー部)
第2位 藤木 豪心 (桃山学院高等学校)
第3位 四方 元幾 (愛知工業大学)

2018年のオリンピックへ


2018年、平昌オリンピックが韓国で開催されます。フィギュアスケートやスキージャンプ等々、様々な競技で注目すべき選手が増えています。その点、モーグルも負けていません。高レベルな技の数々、急斜面を怒涛の勢いで滑り降りる迫力、瞬きすらできないほどの速さ。その全てが観る者を虜にします。

再来年の平昌オリンピックに向けて、今からモーグルに注目してみてください!


大会の当日の様子は動画でもご紹介しています!

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