フォアハンドの打ち方は大きく分けて「ダブルベンド」と「ストレートアーム」の2つに分けられます。今回はそれぞれの特徴やグリップ比較してご紹介します。
ダブルベンドの特徴
- 肘を曲げてスイングする打ち方
- 肘を支点として打つ
- ジョコビッチ選手や錦織選手、マレー選手など
- メリット
- 瞬発力がありスピンをかけやすい
- 体幹で打つので手打ちになりにくい
- デメリット
- 肘を曲げるので打点が体に近い
- 体が開くのでインパクト後まで顔が残りにくい
ストレートアームの特徴
- 肘を伸ばしてスイングする打ち方
- 肩を支点として打つ
- フェデラー選手やナダル選手、デルポトロ選手など
- メリット
- 遠心力を生かしてスピードが出やすい
- 打点は前でとれ、肘を伸ばしているため一定の距離で安定する
- インパクト後まで顔を残しやすい
- デメリット
- ある程度の筋力が必要になる
- 手打ちになりやすい
比較
YouTubeにそれぞれの打ち方を比較した動画があったので参考にしてみてください。
打点と肩の回り
ダブルベンドはストレートアームに比べて、肘を曲げて打つため、同じ肩の回りだと打点が後ろになります。
ただし、フォロースルー時の肩の位置はどちらもほぼ同じです。
例えば前の打点で打とうとすると、ダブルベンドはより上半身、肩を回転させてからボールをヒットする必要があります。
そのためダブルベンドで打点を前で打とうとすると当たりがうすくなったりします。これはグリップにも関係しています。
グリップは厚いか薄いか
グリップはプロ選手で比較してみるとダブルベンドはウエスタングリップなど厚めが向いており、ストレームアームはコンチネンタルグリップなど薄めが向いているようです。これは薄くなるほど力が入りやすい打点が前になるなど、グリップによって異なるためだと思われます。
先に上げた写真でも、インパクト時の手首の返し具合の違いがわかるかと思います。
ボールの回転量が凄まじいためグリップが厚いように思われるナダル選手ですが、実はセミウエスタンくらいの薄めのグリップで打っています。
過去には厚めのグリップで打っていましたが、現在はプレースタイルの影響か薄めのグリップになっていきました。
しかし変わらずトップスピンが打てるのは、ボールを打つときに手首を曲げてラケット面を調整している(プロネーション動作)からです。
フォームの確認と練習方法
この2種類の打ち方を知らず、今のフォームに不安があるという人は一度自分の打ち方の確認と、今と異なるフォームを試してみてください。
- まずは今のフォームの正しい打点を見つけましょう
- 練習方法
これはパートナー、もしくは壁にラケットを当てて最も力が入る場所を探します。そこが正しい打点になります。
この時注意するポイントは、手だけでなく全身の力が伝わる場所を探すことです。
これでダブルベンドとストレートアームの両方を試してみましょう。
またグリップも薄くしたり厚めにすることで、それぞれで打点は変わってくるはずです。
今度は先ほど見つけた打点で実際にボールを打ってみましょう。
上半身のひねりや、グリップによる手首の返しを調整しながら試してみましょう。
おわりに
今回2種類のフォアハンドをご紹介しましたが、どちらが良いということではありません。
グリップの関係も、ナダル選手の例のようにダブルベンドだから厚めにしなければいけないというわけではありません。
ただ自分の打ち方を一度確認して、ダブルベンドなのに肩を回さず打点を前でとっていたり、ストレートアームなのに打点が後ろなど、打ち方とそれに適した打点・グリップであるかをぜひ見直してみてください。